何が駄目だったかは考えない

会社や、商品・サービスの「改善すべき点」「駄目なところ」「悪いところ」なんて、お客さんに質問してはいけない。
 
「なにがいけないんだろう!?」と考えるのは、無駄なこと
 
マーケティング上の重要なヒントを、お客さんの声から得られることは少なくない。
 
それで、お客さんにアンケートを取る時に、絶対に避けなければならいのは、
「当社のどこを直せばよろしいでしょうか」
「当社の改善すべき点をお教えください」
という質問パターン。
 
ハッキリ言って、これは最悪だと思う。
上場企業ならまだしも、中小企業、個人事業であれば、こんなの百害あって一利なしです。
絶対にやめた方がいい。
やめたほうが良い理由はシンプルです。
 
改善点、駄目なところを質問すれば、いっくらでも出てきます。
モノがよくない、サービスが悪い、値段が高い、保証が少ない、店員の接客態度が不愉快だ、営業マンの対応が悪い、電話に出るのが遅い……等々、ボロクソにけなされ、思い切り凹んで、落ち込んで、気持ちはブルー、やる気も失せるだけだからです。
 
最悪だってのは言いすぎたかも知れません。
確かに、改善すべき点を知るのは大事なことです。
しかし、それは短期的なマーケティング活動に役立つ情報ではないです。
 
人も会社もそうですが、良いところと悪いところを比べたら、圧倒的に悪いところの方が多い。
それを教えてくれと言ったら、山ほど書いてくれるのは当たり前なのです。
 
それをいちいちまに受けて、これも直さなきゃ、あれも直さなきゃと、もぐら叩きのように欠点を矯正していったら、どうなると思います?
ものすごく「可もなく付加もない、ごく普通」のものになります。
 
それで本当に魅力のある商品、サービス、会社になるでしょうか?
私はそう思いません。
 
「可もなく付加もない、ごく普通」の商品・サービスなんて、競争社会をサバイバルするには、非常に不利です。
だって、そんなの、代わりならほかにいくらでもいるからです。
 
仮に、1000件の見積り依頼があって、4件しか成約しなかったとします。
普通は、「どうして996件は、買ってくれなかったんだろう・・・」と考えるんでしょう。
その気持はわかります。
そうやって一生懸命、悪い点を直そうとする人がいるんです。
そういう人は、きっと真面目です。
悪い人じゃないはずです。
だけど、ビジネスで成功しようと思ったら、これは絶対にやめるべきです。
 
反対に、成功する人は違います。
成功する人は、4件の成約に着目し、996件のボツ客はとりあえず無視します。
 
人も会社も大きく成長しようと思ったら、欠点は目をつぶって、長所を伸ばしていった方が絶対にいい。その方が間違いなく成功します。万人に好かれる必要なんてありません。
 
「お客さんが買わないのはなぜだろう?」と自答するのではなく、
「なぜあの人はうちを選んでくれたんだろう?よそに比べてどこがよかったんだろう?」と自社のいい点を見つけ出すことを考えるべきです。
 
ぜひ、成約した4件に質問してみてください。
「よその会社ではなく、うちのをお選び頂けたのは、他社と比べて、いったいどの部分が良かったからですか?」
 
そうやって小さな成功の芽がどこにあるのか知り、それを大きな花へと育てていくわけです。
 
ー拙著より抜粋リライトー
 
 
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